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間取り診断のハウス設計 家づくり企画ノート

家づくりを行うときに、業者に依頼する前に準備しておくことや知っておきたいことについて、ノート風にまとめました。

 

1 予算を立てる

家づくりの際、一番頭が痛いのが「お金」ではないでしょうか。家をつくるのにいくらかかるか、資金はいくら用意できるか、支払時期はいつなのかなど悩むものです。また、家をつくり始めると、思ってもいなかったお金が出ていきます。それも大きな金額です。しっかり予算を立てて、後悔することのない納得できる家づくりをしましょう。

 

(1)工事費の算出

工事費の中にはいろいろなものがあります。家を建てるための費用は全てを含めた総工事費で考えましょう。

総工事費とは

延べ面積×工事単価+本体工事費×20%+建築工事費×5%+予備費

1)本体工事費とは

請負業者に支払う費用です。

2)別途工事費とは

電気・水道引き込み、住宅設備(エアコン、流し台、洗面台、便器、浴槽等)、外構(門、塀、カーポート等)、家具、カーテン、照明器具、旧建物の解体、地盤改良、設計料などですが、官公庁などに支払う諸経費(建築確認・完了申請費、汚水流入許可、電気配線の申請費、水道加盟金、下水受益者負担金など)も含めて見積書に入っているのかどうかを確認しておく必要があります。

見積書に含まれていないものがあれば、別途予算を組んでおきましょう。

3)工事単価とは

工事単価は、工事金額を延べ床面積で割って算出しますが、その延べ床面積には吹き抜け、ポーチ、ベランダなどを含む場合と、含まない場合があります。もちろん、含む場合の方が工事単価が安くみえます。

また、単位としては、m2と坪(1坪=3.3m2)があります。

※全国平均で在来木造の場合、H16公庫融資住宅規模規格等調査報告によると工事単価は167,000円/m2(551,100円/坪)です。

4)設計料とは

建て主のニーズに応じて、住宅の基本的な計画(住宅プランの骨格になる最も重要なところ)から、基本設計(配置図、平面図、立面図等)、実施設計(その他の詳細な図面等)を行い、さらに、工事が設計図書通りに行われているかどうかを監理する設計監理業務にかかわる費用です。

設計事務所に依頼する場合はこれを支払うことになります。この料金は建築工事費の約10%と言われているのですが、実際は建築設計事務所によって設計料はバラバラです。安いところは3%くらいから、高い所は15%くらいまでがあります。(1坪あたり5万円とか、1m2あたり1万5千円というやり方の事務所もあります。)

2,000万円の建築工事費の場合、10%なら200万円になります。ハウスメーカーなど無料のことろもあるのに、これは高いと思われますが、きちんと設計をしようとすればそれなりの費用はかかります。確かに良心的な町の工務店に直接依頼する場合に比べると、余分な出費となる場合もありますが、設計料無料というところは、トータルで採算が合うようにしているはずです。

5)諸経費とは
  1. 税金:印紙税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税
  2. 登記:建物表示登記、土地所有権移転登記、建物所有権保存登記、抵当権設定登記
  3. 融資関係:手数料、保険料、団体信用生命保険特約料、火災保険料
6)予備費とは
  1. 工事関係:近所挨拶、地鎮祭、上棟式、竣工式
  2. 引っ越し:引っ越し費用
  3. 建て替え関係:仮住まい費用、滅失登記、引っ越し費用

※土地購入する場合は、土地代や土地取得のための関係費用を含めて予算を立てます。

(2)資金調達

資金調達としては、貯金や親からの援助金などの自己資金と関係機関から融資を受ける方法があります。無理のない資金調達をしましょう。

1)自己資金

工事が着工するくらいまでの費用は自己資金でまかないたいところです。また、総工事費の20〜30%を自己資金でまかなうのが住宅ローンを無理なく返済する上で望ましいと思われます。

2)融資の種類

住宅ローンは金利1%で百万円を超える金額の差がでます。よく研究して有利な融資を利用しましょう。

  1. 民間融資:フラット35、銀行ローン
  2. 公的融資:財形住宅融資、自治体

※ローンの注意点

  • 借り入れの限度額は夫婦の年収の3〜4倍まで
  • 20〜25年で無理なく返済
3)フラット35

住宅金融支援機構と民間金融機関のコラボレーションでできたもので、下記のような特長があります。また、フラット35と名前は同じでも金融機関によって金利や手数料などが全て異なります。

■特長
  • 最長35年間の全期間固定金利で、完済までの間、金利が上がらない。
  • 低水準金利。平成15年10月〜平成22年10月までの期間における返済期間が20年以下の場合、最低金利である。
  • 諸費用負担が少なくて安心で、保証人・保証料不要。しかも繰上返済手数料が無料。
■フラット35Sエコ

平成23年度第3次補正予算の成立に伴い、住宅の省エネルギー対策の推進のため省エネルギー性の高い住宅の金利の引き下げ幅を拡大するフラット35Sエコが誕生しました。平成23年12月1日以降に融資が実行される方から適用されます。フラット35Sエコは当初5年間の金利を0.7%引き下げられ以後は10年目もしくは20年目まで0.3%引き下げになります。

(3)支払いスケジュール

いつ、どのような費用が、どのくらい必要なのか、分からないものです。そこで、主な支払いスケジュールをまとめました。

流れ 費用 備考

借り入れ

ローン申込書類代(民間は無料)

必要書類提出

設計契約

設計料

設計事務所に依頼する場合

業者との契約

印紙税

契約金・申込金

地盤調査費

融資を受ける場合の契約時

工事業者と請負契約時

地盤調査が必要な場合

着工

工事着手金(工事・設計)

工事解体費

地鎮祭の費用

引越し・仮住まい費用等

着手金の支払い(一般的には工事金額の1/3)

工事解体が必要な場合

神主お礼、お供物、棟梁へ祝儀

仮住まいが必要な場合

上棟

中間金の支払い

上棟式の費用

中間資金の受け取り

中間金の支払い(一般的には工事金額の1/3)

棟梁などへの祝儀、料理代等

引き渡し

工事費・設計料残金

登記関連費用

引越し代

最終資金の受け取り

工事残金支払い(一般的には工事金額の1/3)

各種登記

引越し

ローン契約

印紙税

ローン事務手数料等

火災保険料・地震保険料等

融資を受ける場合

入居

不動産取得税

竣工式

家具などの購入費

近所挨拶等

新築祝いに関する費用

別途工事費の中で必要なもの

手土産等

2 住まいのイメージを構想する

家族の生活スタイルや新しい住まいへの希望に基づき、新しい住まいのイメージを構想します。

 

(1)ライフスタイルの想定

家族構成(進学、就職、結婚、誕生、同居、老後・・・)、車の増減、家族の在り方や家族それぞれの好み及び生活スタイルが、どのように変わっていくのかを考えてみましょう。

(例)

家族

現在

10年後

20年後

30年後

会社員

会社員

会社員

無職

専業主婦

専業主婦

パート

パート

子供(男)

4歳

中学生

就職(別居)

既婚(同居)

子供(女)

2歳

小学校高学年

大学生(別居)

既婚(別居)

将来の
同居家族

     

長男の嫁

家族の
生活スタイル、
その他

育児とアウトドアを楽しむ

子供室が必要。どこにいても子供の気配を感じたい

子供2人は別居し、生活にも、部屋にもゆとり

長男家族同居

孫の世話

趣味活動

部屋の改造

車の台数

車1台

車1台

車2台

車3台

(2)家族の要望をまとめる

家づくりは、家族のことを考える絶好の機会です。家族全員でよく話し合い、夢のある素敵な家を実現させましょう。

1)全体のイメージ

「こんな家族でありたい」という家族の方針にそって、家づくりの全体像を考えると現実味のあるアイデアが浮かぶと思います。例えば、常に家族の気配が感じられ、コミュニケーションがとれるような家族でありたいとすれば、吹き抜けで一体感をつくり、リビングに集まりやすい空間構成にしたりします。

《1》外観

外観・外装仕上げは実際に見に行ったり、カタログ・雑誌等で調べましょう。

  • 屋根:切妻、寄棟、片流れ、入母屋、陸屋根、その他
  • デザイン:和風、和風モダン、洋風、洋風モダン、シンプルモダン
《2》 コンセプト

家族で話し合い、こんな家にしたいということを決めます。

例えば

  • 中庭のある家
  • 仕切りのないオープンな家
  • 自然と共生する家
《3》住まいで重視するポイントを決めます。

例えば

  • 友達とホームパーティをしたい
  • 家族みんなで食事がしたい
  • 映画や音楽を心ゆくまで楽しみたい
  • どこにいても家族の気配を感じたい
  • お客さんに、ちょっとした対応のできる玄関にしたい
  • 吹き抜けのあるリビングで開放的に暮らしたい
2)必要な部屋を決める

家族全員で話し合い、欲しい部屋のリストを作ります。なお、優先順序も考えておくと、後から面積を減らしたりするとき役立ちます。

(例)

部屋名 日照 広さ 優先 使い方・要望 設備機器、家具
玄関 3帖 客の対応ができること シューズインクローゼット
居間 8帖 寝転がってTVが見れる TV サイドボード ソファー
和室 6帖 茶の間として使いたい 座卓 押入
食堂 6帖 たまには座って食べたい 食器棚 ダイニングテーブル
台所 6帖 対面キッチンがよい 収納棚 パントリー
家事室 4帖 家事コーナーが欲しい 作業カウンター 収納棚
浴室 2帖 坪庭が欲しい シャワー
洗面脱衣 3帖 洗濯物がすぐ干せる 洗面化粧台 脱衣棚
便所 1帖 ゆっくりしたい 収納棚
子供室 6帖 模様替えがしやすい 机 ベット タンス
寝室 8帖 書斎コーナーが欲しい クローゼット TV 化粧台

◎絶対必要 ○必要 △あればいい

3)その他の要望
《1》LDKについて
  • ワンルールの「LDK」か
  • キッチンは独立の「LD+K」か
  • リビングは独立の「L+DK」か
  • それぞれ独立の「L+D+K」か
《2》タタミコーナー
  • 不要
  • 必要
《3》キッチンについて
  • 壁に流し台のあるオープンキッチンか
  • 調理をしながら対話もできる対面キッチンか
  • 複数で調理できるアイランドキッチンか
《4》キッチンと洗面・浴室の動線について
  • つなげる
  • つなげない
《5》子供部屋について
  • 子供一人一人に個室を与える
  • 小さいうちは大部屋で育て将来間仕切りを作って分割したい
  • その他
《6》階段の位置について
  • 玄関・ホール内
  • リビング内
  • その他(         )
《7》吹き抜け
  • 不要
  • 必要(希望の場所:      )

(3)構造・階数・面積を決める

各構造の特徴を把握した上で、イメージにあった構造を選びます。

1)構造
《1》木構造
  • 長所:木材は鉄やコンクリートに比べて軽い。 加工が容易でフレキシブルな間取りやデザインにも対応できる。
  • 短所:防腐、防蟻、防湿の処理が不適切だと腐りやすく、火に弱い。

■在来軸組工法

  • 日本の伝統的な木造の軸組工法で最も多く建てられている。
  • 設計の自由度が高く、大きな開口部が取れるなど日本の気候にマッチする。
  • リフォームもしやすい。

■2×4(ツーバイフォー)工法 (枠組壁工法)

  • 約2インチ×4インチサイズの木材が主に使用されていて、壁の面と床の 面とで組み立て構成される壁式構造。
  • 工期は短いが、在来軸組工法に比べ、大きな開口部が取れない。

■木質パネル工法

  • 工場で一括生産された木質系のパネルにより、6面体(床・壁・天井)を 構成させた壁式の工法。
  • 工期が早く、品質が均一であるが、大きな開口部が取れない。
《2》鉄骨造
  • 長所:鋼材は強度が大きく、工業製品であるため品質が安定している。柱と柱の間隔(スパン)が広く取れるので、広い空間を取れる。
  • 短所:火熱と錆に弱いため、防錆処理と耐火被覆が必要である。木造住宅に比べ、重量があり、コストも割高である。
《3》鉄筋コンクリート造
  • 長所:耐震性、耐火性、耐久性、遮音性に優れ、設計の自由度が高い。
  • 短所:熱しやすく冷めにくい性質で、十分な温湿度対策が必要である。 重量が大きく、コストも高い。
2)階数を決める

敷地の形状や広さ、建物の構造、家族構成などを考えて決めます。

《1》平屋
  • 長所:構造的に有利である。上階に制約されない分、間取りが容易である。
  • 短所:広い敷地が必要である。
《2》2階建
  • 長所:プライバシーが保てる。 眺望が良い。
  • 短所:階段スペースが必要である。2階に水回りを設けると水漏れの心配がある。
《3》3階建
  • 長所:敷地の有効利用ができる。
  • 短所:より耐震性に注意が必要である。階段の上り下りがきつい。
3)面積を決める

予算的なことと法的なことから、おおよその面積の大きさを求めます。その中の最小値が建てられる建物の限度になります。

《1》予算から

建築可能な延べ面積=(予算−予備費)÷(m2単価×1.2×1.05)

例題

予算が2,500万円で、その内の予備費を120万円、m2単価を16.7万円(H16の旧住宅金融公庫の全国平均の在来木造)とすると、建築可能 な延べ面積はいくらでしょう。

(2,500万円[予算]−120万円[予備費])÷(16.7万円[m2単価]/m2×1.2×1.05) =約113m2(34坪)

即ち、予算が2,500万円の場合、建てられる延べ面積は113m2(34坪) までになります。

※建てたい家の延べ面積がオーバーしたら、面積を減らすか、グレードを落さなければなりません。

問題

自分の予算の場合、何m2まで建てられますか。

予算が《1》万円、予備費を《2》万円、m2単価を《3》万円とすると、建築可能な延べ面積は

(《1》万円−《2》万円 )÷(《3》万円/m2×1.2×1.05 )= [建築可能な延べ面積]m2

《2》法的規制から(ここは省略しても結構です。業者に聞けば分かることですから)

建設予定地の用途地域により建物の大きさの限度が決められています。

  • 建築面積の限度=敷地面積×建ぺい率
  • 延べ面積の限度=敷地面積×容積率
  • ※1建築面積とは、建物を真上から見たときの水平投影面積のことです。
  • ※2延べ面積とは、 建築物の各階の床面積の合計のことです。
  • ※3用途地域とは、市街地における適正な土地利用を図るため、その目標に応じて12種類に分け、建築物の用途、建ぺい率、容積率等に関し一定の制限を加える制度です。
用途地域 主な建てられる建物
住居系 第一種低層住居専用地域 住宅、小規模な併用住宅、小中学校
第二種低層住居専用地域 住宅、150m2までの一定の店
第一種中高層住居専用地域 住宅、病院、大学、500m2までの一定の店
第二種中高層住居専用地域 住宅、病院、大学などのほか、1,500m2までの一定の店や事務所
第一種住居地域 住宅、3,000m2までの店舗、事務所、ホテル
第二種住居地域 住宅、店舗、事務所、ホテル、ぱちんこ屋、カラオケボックス
準住居地域 住宅、キャバレー、ダンスホールを除く多くの建物
商業系 近隣商業地域 住宅、店舗、小規模の工場、キャバレー、ダンスホールを除く多くの建物
商業地域 銀行、映画館、飲食店、百貨店、住宅や小規模の工場も可。
工業系 準工業地域 危険性、環境悪化が大きい工場を除き、ほとんど可
工業地域 工場、住宅、店※学校、病院、ホテルは不可
工業専用地域 工場※住宅、店、学校、病院、ホテルは不可
  • ※4用途地域と建ぺい率及び容積率は地域ごとに決められている数値で、役所で「都市計画図」を閲覧するなどすれば分かります。

例題

敷地面積を200m2、建ぺい率を80%、容積率を200%とすると、建築可能な面積はそれぞれいくらでしょう。

建築面積の限度=敷地面積 × 建ぺい率

=200m2×80×1/100

160m2

延べ面積の限度=敷地面積 × 容積率

=200m2×200×1/100

400m2

問題

建設しようとする場所の用途地域を調べ、その地域の建ぺい率と容積率 から建築できる建築面積と延べ面積の限度を求めましょう。

建ぺい率から

建築面積の限度m2敷地面積m2×建ぺい率×1/100

 

容積率から

延べ面積の限度m2敷地面積m2×容積率×1/100

3 敷地を準備する

新築における土地探しは、新しい家での生活にも予算にも大きく影響します。家族のライフスタイルをイメージして、目標を絞り込み、予算に合った良い敷地を見つけたいものです。

土地探しに目処がついたら、平日にその土地及び周辺を見て、どの位置に建物を建てるかなど思いを巡らせることが大切です。その際、近所の人に、その土地が以前どのような土地で、どのような利用をされていたのかを聞いたりすることも大切なことです。 しかし、全てを満足する敷地はなかなかあるものではありません。狭く変形な敷地にプライバシーも確保された明るい素敵な家もいっぱいあります。満足できない部分は、そのことを逆手に取って、その家の特徴にするようなプランニングをしましょう。

 

(1)理想的な敷地とは

1)道路との関係

道路がどの方位にあるのか、ということで大きく敷地の特徴が変わってきます。道路が北側にあれば間取りがしやすく、南側にあれば外観のデザインがしやすい、とういう特徴があります。道路が東側や西側のときは、南側、北側のどちらの特徴も取り入れやすいということになります。

また、角地は角から5m以内に駐車場を造れない場合もありますが、アプローチ計画などの外構計画の自由度が高いというメリットもあります。

2)敷地の形状や面積

平面的には正方形、または日照上、南北に長い長方形が望ましいです。 断面的には、南下がりの傾斜のゆるいものか平坦なものが望ましいです。 広さは、建築面積の3〜5倍程度が望ましいです。

3)敷地の安全性や地盤状況

地盤が強固であること、風水害や高潮などの災害の恐れがないこと、土砂崩れや崖崩れの危険がないことが安全性の条件です。地盤が悪いと、建築の際、地盤補強に予想外の出費が必要になる場合があります。こうした土地では、擁護壁や土留、排水、埋め立て、地盤固め、水はけ工事や基礎工事などのことも考えておきましょう。

4)日当たり・風通し

日当たり、風通しは住宅の基本的な条件です。土地を購入した時は日当たりが良かったが、新築後まもなくして南側に大きなマンションが建った、などもよく聞く話です。将来のことは予測しにくいところではありますが、先のこともよく考えて選びましょう。

  1. 新鮮な空気と豊富な太陽光線が得られること。
  2. 冬季に寒風を防ぎ、夏季に涼風が得られること。
  3. 高い土地で、湿気が少なく、かつ排水がよいこと。
5)周囲の環境

緑が多くて静かな環境が最高ですが、生活の利便性もありますので、総合的に考えることが大切です。また、隣接地建物の配置や窓の位置などをチェックして、希望の間取りに支障がないかも、検討しておきましょう。

  1. 人や車の往来が少なく、騒音のない静かなところであること。
  2. 工場や危険物を取り扱う施設が近くにないこと。
  3. 風紀上好ましくない施設が近くにないこと。
  4. 役所、郵便局、病院、学校などの公共施設が近くにあること。
  5. 通勤、通学、買い物などに便利なこと。
6)都市施設

公共下水道がない地域なら、水洗便所を設ける場合、屎尿浄化槽が必要になりますし、都市ガスがない地域ならプロパンガスや電気等に頼らざるを得なくなります。自分が住むであろう地域の都市施設を知っておくことは大切なことです。

  1. 上下水道、電気、ガスなどの都市施設が完備していること。
  2. 道路が整備されていること。

(2)業者選び

土地の持ち主と直接、土地の売買に関する交渉をすることは難しいものです。一般的には不動産業者に依頼します。不動産業者は、扱う金額が大きいため、宅地建物取引業法(宅建業法)という法律により、その免許を持った者しか営むことができないと定められています。とは言え、良い不動産業者を見つけることは大変なことです。交渉段階で気に入らなければはっきりと断ることも忘れてはなりません。

その際のチェックすべきことは、次の通りです。

  • その土地で長年、悪い評判もなく営業している不動産会社か。
  • 事務所、案内所、分譲地などの看板に免許業者の標識を掲げているか。
  • 手付け金を急がせたり、物件を押し付けるような言動はないか。

建物の工事を依頼する業者(住宅メーカー、工務店、設計事務所)が決まっていれば、その業者に相談するのも良い方法です。なぜなら、地元の業者は土地と家との関係に詳しく、地元の不動産会社にも精通しているからです。また、素人では気づきにくい土地のデメリットを教えてくれたり、中間的な立場で動いてくれそうだからです。

(3)契約時の注意点

不動産業者は、契約する前に物件に関する重要事項の説明を行わなくてはならないように決められています。この重要事項説明書には、登記簿の内容、各自治体ごとの土地の利用・建築に関する規定(建ぺい率、容積率、防火規制など)、各種設備や道路の状況などが記載されています。謄本は、土地の持主と売主は同じか、登記上の面積と実測面積に相違はないか、抵当権はついていないか、などが記載されています。これらを十分に理解し、納得した上で契約する必要があります。

とは言っても、専門的な言葉も多く分かりにくいものです。要は、不動産業者を見極める目や信頼感及び相性が一番大切なのかもしれません。 また、契約は必ず書面で行い、所有権の移転の時期や、代金の支払い時期、方法も確認しましょう。

※業者の媒介手数料は建設大臣が最高限度額を定めています。

  • 取引額200万円以下の場合 → 5%
  • 取引額400万円以下の場合 → 4%+2万円
  • 取引額400万円を超える場合 → 3%+6万円

(4)敷地選びのチェックシート

1.自然的な要素
  • 日当たりはいいですか
  • 風通しはいいですか
  • 湿気は少ないですか
  • 排水はよいですか
  • 地盤が強固ですか
  • 風水害や高潮などの災害の恐れはありませんか
  • 土砂崩れや崖崩れの危険はありませんか
2.社会的な要素
  • 人や車の往来が少なく、騒音のない静かなところですか
  • 工場や危険物を取り扱う施設が近くにありませんか
  • 風紀上好ましくない施設が近くにありませんか
  • 役所、郵便局、病院、学校などの公共施設が近くにありますか
  • 通勤、通学、買い物などに便利ですか
  • 上下水道、電気、ガスなどの都市施設が完備していますか
  • 道路が整備されていますか
3.形状広さ
  • プランニングしやすい南北に長い長方形ですか
  • 敷地の形状を上手くプランニングに活かせそうですか
  • 断面的には、南下がりの傾斜のゆるいものか平坦な敷地ですか
  • 敷地面積は建築面積の3〜5倍程度はありますか
4.法的要素
  • 敷地が道路に2メートル以上接していますか
  • 建てたい家が建てられる区域ですか
  • 建てたい家が建てられる建ぺい率・容積率ですか
  • 斜線制限・高さ制限・日影制限は大丈夫ですか
  • 地区計画などの将来の計画がどうなっていますか

4 プランをチェックする

新しい住まいをイメージできたら、いよいよ業者にプランの提案と見積もりを依頼することになります。その際、前述(2住まいのイメージを構想する)で検討した予算、敷地、テーマ、重点項目、構造、階数、面積、欲しい部屋や広さ等を話すと良いでしょう。

依頼したら、数日後にプランと見積書が提示されます。その時に、下記のチェックシートを使ってプランの良さを判断してください。チェックする際の規準については、本HPの「住宅計画基礎知識」をご参照ください。

 

1.配置計画

  • 建ぺい率は適当ですか
  • 容積率は適当ですか
  • 敷地の形状をうまく利用していますか
  • 道路との関係をうまく利用していますか
  • 敷地の高低差をうまく利用していますか
  • 道路境界線からの距離は適当ですか
  • 隣地境界線からの距離は適当ですか
  • 方位と建物の配置は適当ですか
  • 南側を広く空けていますか
  • 主庭の計画は適当ですか
  • テラスは適当ですか
  • サービスヤードは適当ですか
  • 物干しは適当ですか
  • アプローチは適当ですか
  • 駐車スペースは適当ですか
  • 駐輪場は適当ですか

2.全体計画

  • 外観はいいですか
  • 平面形状は適当ですか
  • 屋根に無理はないですか
  • 立体的に考えていますか
  • ゾーニングはいいですか
  • 見せ場がありますか
  • 家族の気配が感じられますか
  • 居間は居心地がいいですか
  • プライバシーは守られていますか
  • ユニバーサルでありますか
  • 階段や廊下は適当ですか
  • 家族の動線は適当ですか
  • 客の動線は適当ですか
  • 物の動線は適当ですか
  • 車の動線は適当ですか
  • 水まわりはまとまっていますか
  • ゆとりはありますか
  • エコ・断熱は考えられていますか
  • 耐候性・耐久性はありますか
  • 耐火性はありますか
  • 耐震性はありますか
  • 防犯対策は適当ですか

3.各室計画

  • 日照はありますか
  • 採光はありますか
  • 通風・換気はありますか
  • 広さは適当ですか
  • 動線(家族、客、物、車)はいいですか
  • プライバシーはありますか
  • 収納スペースは適当ですか
  • 家具を置いても大丈夫ですか
  • 融通性はありますか
  • 窓、ドア・引き戸はいいですか
  • スイッチ、コンセントは適当ですか
  • 冷暖房方式はいいですか

5 業者選び

家族のイメージする家を、予算内で希望通りに造ってくれて、アフターケアもしっかりやってくれる業者を選ばなくてはなりません。

では、どうやってそのような業者を選んだらいいのでしょうか。知人の紹介、展示会に行きその流れで決める、広告やカタログから気に入ったところに問い合わせる、などよく聞きます。いずれにしても、なるべく多くの選択肢の中から、自分の希望に最も近い考え方をして造ってくれる業者を選ぶことです。自分のライフスタイルやセンスに合った、安心して任せられる業者を選びましょう。

 

(1)業者選びの流れ

第一段階

自分の住んでいるところにある、素敵だと思われる家をリストアップして、その家を造った業者を調べたり、広告や雑誌、インターネットなどでなるべく多くの情報を集めましょう。

第二段階

情報を集めたら、気になる業者に電話で問い合わせて資料をもらったり、展示会に行ったり、工事中の家あるいは実際に建てた家を見せてもらいます。そして、実際に業者の人と面談したり、評判を調べたりして、その中から数社を絞り込みます。

第三段階

絞り込めたら、その数社にプランの提案と見積もりを依頼して、提案されたプランと見積もりから信頼できる業者を一つに絞り、契約までの具体的な折衝に入ります。

(2)業者の種類と特徴

1)地域の工務店(設計+建築)
  • 地域に密着しているため、気候風土や生活慣習などを踏まえた家造りを行う。
  • 地域に密着しているため、アフターサービスも含めて小回りがきく。
  • 設計から施工まで一貫しており、家づくり全般について相談しやすい。
2)ハウスメーカー(設計+建築)
  • 施工実績・営業力・宣伝力・技術開発力・アフターサービスなどに優れている。
  • 工期が短く、品質が安定している。
  • 住宅を規格化しているため、自由設計でも仕上材料、設備機器、建具など制約されてしまう。
  • 営業担当者、設計者、工事をする人と役割分担がされている。
3)設計事務所(設計)+工務店(建築)
  • 設計にデザイン性やオリジナリティがある。
  • 施工者の作成した見積もりが妥当かを判断してくれる。
  • 建て主の立場で、家が図面通りに施工されているかを監理してくれる。
  • 建て主の要望をしっかりと把握し、現場に伝えてくれる。

(3)業者選びのポイント

一言で言うと、「信頼できる業者か?」ということでしょうが、財務体質、経営理念、家づくりへの基本方針、施工実績、人柄、評判、見積もり金額、アフターメンテナンス、折衝過程での熱意・誠実さなどを基に選びます。

  • 会社の体制、組織はどうなっているか。
  • 健全な経営をしているか。
  • 無理な営業をしていないか。
  • 会社の家づくりに対する考え方はどうか。
  • 実績・経験は豊富か。
  • 何度も敷地を見に来たりして、親身になって対応してくれるか。
  • 住みたい家を技術的に造れる能力のある業者か。
  • 築後何年か経った家を見せてもらえるか。
  • アフターメンテナンスはしっかりやってくれそうか。
  • 地域での評判はどうか。
  • その会社や工事現場を快く見せてくれるか。
  • 見積書や図面に不備はないか。
  • 見積もり金額は妥当か。

6 設計図面

図面を作成する目的は3つあります。

一つ目は、契約のためです。仕様、プラン、使用材料、住宅設備機器などの希望する内容が、契約内容と食い違いがないようにするためです。二つ目は、建築確認申請のためです。家を造るには、一部を除いて建築確認申請が必要になります。そのために必要な図面を作成します。三つ目は、打ち合わせした内容が正確に現場監督に伝達され、施工されるためです。

 

(1)設計図書の内容

設計図書とは、各設計図や仕様書をまとめたもので、在来軸組工法の場合の一般的な図面を紹介します。

1)基本設計の図面
  1. 配置図:敷地と建物の位置関係を示す図面。門、塀、アプローチ、庭、カーポートなども分かる。
  2. 平面図:建物を床から1.5mくらいの位置で水平に切断し、上から見た図面。間取りが分かる最も基本となる図面。
  3. 立面図:各外壁面を外から垂直に見た図面。屋根形状、窓形状など外観が分かる。
  4. 断面図:建物を垂直に切断し、横から見た図面。家の各部位の高さ関係が分かる。
2)実施設計の図面
  1. 仕様書:図面で明記できない工事全体の概要、材料の品質などを特記したもの。
  2. 仕上表:内外各部の仕上げを一覧表にまとめたもの。
  3. 平面詳細図:平面図を詳細に表したもの。
  4. 矩計図:各部の高さ、仕上げを詳しく表した断面詳細図。
  5. 基礎伏図:基礎の配置状況を表した図面。
  6. 床伏図:各階の床組を表した図面。
  7. 小屋伏図:屋根部分の骨組み(小屋組)を表した図面。
  8. 屋根伏図:屋根を上から見た図面。
  9. 天井伏図:天井を見上げた状態を表現した図面。
  10. 軸組図:柱や梁などの軸組を、各壁面ごとに垂直方向に見た図面。
  11. 建具表:建具の姿、寸法、材質、数量付属品を表にまとめた図面。
  12. 展開図:部屋の内壁を垂直方向に見た図面。
  13. 空調換気設備図:エアコンの室内機や室外機、換気扇の設置位置、系統を表した図面。
  14. 給排水設備図:給湯、給水、排水の位置や系統を表した図面。
  15. ガス設備図:給湯器やガス調理機器、ガス栓などの位置や系統を表した図面。
  16. 外構図:門扉、塀、カーポート、植栽、玄関ポーチやテラスなどの外構を表した図面。

(2)覚えておきたい製図記号

出入口一般 窓一般 シャッター
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片開き戸 片開き窓 折りたたみ戸
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両開き戸 両開き窓 アコーディオンカーテン
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自由開き戸 はめごろし 回転 滑り出し 突出し窓 格子付き
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引き違い戸 引き違い窓 雨戸
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引き込み戸 片引き戸 回転扉
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7 見積書

見積書は単に工事金額を出すだけではなく、工事の範囲や材料のグレードを示す大事なものです。ここでは、一般的に行われている工事別の見積書について述べます。

設計事務所に設計を依頼する場合は、設計事務所が作る見積書と比較して施工業者の見積もりを見ることになりますので、適正な見積もりかどうかが判断しやすくなります。

 

(1)見積書の内容

設計図書に基づいて、材料などの数量に単価を掛け合わせ、それに仮設費用や諸経費などを加えたもので構成されます。

内容は、大きく分けて、共通仮設費、直接工事費、諸経費に分けられます。

1)共通仮設費

地質調査費・仮囲い・現場事務所・仮設便所・安全対策費・近隣対策費・工事用電気水道など工事を行うための下準備のものや現場を管理・運営するのに必要な経費で構成されます。。

2)直接工事費

直接仮設工事・土工事・鉄筋コンクリート工事・屋根工事・大工工事・左官工事・金物工事・建具工事・ガラス工事・塗装工事・内外装工事・家具工事・設備工事のように実際に工事を行うための費用で構成されます。

3)諸経費

業者の利益になる費用で、社員の給料・ボーナス、会社の光熱費・通信費・税金・宣伝・広告費などになります。一般的に、工事費の15%前後です。

※別途工事(オプション)や、解体撤去工事、設備工事、外構工事なども別項目であげる場合もあります。

(2)見積書をみるポイント

見積書は施工業者を決める上で極めて重要なものです。単純に金額だけで決めるわけにはいけません。というのも、設計図書と見比べなければなりませんし、項目の出し方や数量の算出の仕方、そして、単価に含まれる意味も業者によってまちまちで慣れた人でも見積書をみるのは難しいものです。

ですから、見積もり金額に一喜一憂するのではなく、本当に自分が望む家を真摯に取り組んで造ってくれる信頼できる業者であるかどうかなど、総合的に判断することが大切だと思います。また、物価には、適正価格というものがあります。家もそうです。安ければ安いほど良いというものでもありません。

以上のことを踏まえ、見積書を検討する際のポイントを示すと、次のようになります。

  • 一つ一つの単価で判断するのではなく、見積書は合計金額で考えること。
  • 金額を減らす場合、構成比率の高い工事で内容を検討すること。
  • 別途工事費、諸経費、予備費が含まれているかどうか、見積範囲を確認すること。
  • 一番大切なのは、安心して任せられるかを見極めること。

8 契約書

業者から提案されたプラン及び見積もりでOKという段階になったら、いよいよ契約です。最初に、10万円ほどの手付け金を支払い仮契約します。仮契約が終わったら、業者は実施設計に入ります。その設計図書に基づき詳細な見積書の作成をします。この見積もりで予算オーバー等があれば、設計変更したりして予算に納まるようにします。そして、本契約になります。

契約に必要な書類としては、請負契約書、請負契約約款、設計図書、見積書などがあります。それを基に、請負工事になる工事と別途工事になるものを確認し、請負契約約款等の説明を受けた上で契約しましょう。

 

(1)工事請負契約書

工事請負契約書には注文者、請負者、工事名、工事場、工期、検査及び引き渡し時期、請負代金額、支払方法、危険負担の方法などが明記されます。その条件で契約する事を確認できたら、印紙を貼り、請負者と注文者の欄にそれぞれ記名捺印して契約成立です。これを2通作成し、それぞれが1通を保有することになります。

なお、工事監理者がいる場合は、工事監理者も記名捺印します。

書式については、国土交通省のHPに載っている「民間建設工事標準請負契約約款(乙)−国土交通省」等をご参照ください。

(2)工事請負契約約款

工事請負契約約款は契約書では記載できなかった次のようなことが記載されています。

  1. 請負者は設計図書に基づいて工事をすること。
  2. 現場にある材料等をかってに賃貸しない。
  3. 監理技士を置く場合、監理技士が行うべきこと。
  4. 材料の検査や完成後見えなくなる部分の工事の立ち会いについて。
  5. 適合しない工事が見つかったときのこと。
  6. 工事中、第三者の身体や財産に損害を与えたときのこと。
  7. 工事中、材料や施工一般について損害を与えたときのこと。
  8. 不可抗力の損害について。
  9. 工事中の損害保険の加入について。
  10. 完成、検査、引き渡しについて。
  11. 請負代金の請求及び支払いについて。
  12. 瑕疵(かし、欠陥)が生じた場合のこと。※住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)では引き渡しから10年間保証。
  13. 工事や工期を変更するときのこと。
  14. 請負代金の変更について。
  15. 建物の引渡しが遅れた場合の違約金について。
  16. 契約の解除について。

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